【ま行】
間合
待ち剣
三つの先
三つの許さぬところ
見取り稽古
武者修行
明鏡止水
元打ち
元立ち
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間合 (まあい)
明治の名剣士、三橋鑑一郎が「剣道は間合と気合の争いである」と表現したほど、間合は剣道において大切な要素。この間合には、一歩踏み込んだら相手を打てる距離である「一足一刀の間」、それより遠い「遠間」、それよりも近い「近間」がある。「一足一刀の間」は、だいたい互いの竹刀が剣先から5〜10センチで交わる距離だが、個人の体型や技量によって違ってくる。多くの先人たちは、稽古によって自分はこの間合からなら打つことができる、この間合では打てないという「自分の間合」を知ることが大切であると説いている。
待ち剣 (まちけん)
自分からしかけていくよりも、相手がしかけてくるの待って応じ技でさばくことが主体の剣風。攻めを身上とする剣道ではやや否定的なニュアンスで使われることが多い。
三つの先 (みっつのせん)
先(せん)の項参照。
三つの許さぬところ (みっつのゆるさぬ ところ)
打突の好機(だとつのこうき)の項参照。
見取り稽古 (みとりけいこ)
他の人の稽古や試合を見て学ぶこと。剣道においては、すぐれた技や剣風、あるいは一本を評価できる「眼」も重要な技能であり、その意味でも見取り稽古は重要視されている。
武者修行 (むしゃしゅぎょう)
武士が諸国を廻って武芸の修行に励んだのが武者修行。その始まりは室町時代の中頃からといわれいる。その後、江戸時代初期にかけて盛んに行なわれたが、他流試合が禁止されたのをきっかけに、次第に武者修行も下火になった。第二次ブームの到来は、天保(1831〜44)の頃から幕末にかけて。北辰一刀流の千葉周作も、明治維新に活躍した桂小五郎も、武者修行をしなかったらあれだけの有名な使い手として歴史に名が残らなかったかもしれない。明治、大正時代に名を残した剣士も、ほとんど全員が実践している。
明鏡止水 (めいきょうしすい)
心の持ち方を教えた言葉で、心が曇りのない鏡や、おだやかで静止した水面のような落ち着いた状態であれば、相手の隙がこちらの心に映るようにわかるものであるという意味。無心の境地を説いている。
元打ち (もとうち)
打突部位を竹刀の物打ち部でなく、元のほうでとらえている有効ではない打突。
元立ち (もとだち)
打ち込みやかかり稽古などで、打突を受ける側の指導者、上級者。地稽古の場合も、段位や経験の違うもの同士が行なう場合は、上級のものを元立ちという。「元に立つ」という使い方もする。
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